東京散歩日和

 

桜の川の満開の下

目黒川沿い・池尻大橋〜中目黒

 

「桜の降るなか、並木道を歩いていき、赤い橋を2人で渡ると

その恋は永遠に成就する」という有名な伝説を聞いたことがあります。

さて、今回はそんな伝説の残る、目黒川沿いを

検証すべく散歩してみることにします。

 

新玉川線池尻大橋駅を降り、246号線を渋谷方面に

歩くとすぐに目黒川にでます。

両岸に満開の桜並木が広がり、狭い道路と川の流れ全体を

すきまなく覆うように桜が咲いています。

川沿いは、ところどころに休憩用の木のイスが置いてあります。

散歩用地図や「目黒川の昔と今」のような看板があり、

また、昔の水車小屋(小川つき)のなごりや

写真などもあり結構勉強にもなります。

東京都内にも、お花見のスポットというのは

たくさんありますが、この目黒川は

並木道になっているだけなので、公園や広場のように、

宴会などはあまり多くはありません。

どちらかというとそれぞれがそぞろ歩きをしていて、

個人的な花見スポット≠ニいった感じがします。

途中で、山手通りを渡って目黒川にでると、すぐに

「なかのはし」という赤い橋に出ます。

よくドラマの撮影にも使われるので、ご覧になった方も

いるかもしれません。

赤くて小さなかわいい橋です。

もっと水量の多い川だったら、

渡し船に乗って桜の下を流れて行ってみたいものです。

橋の名前もイタリア風に「ためいきの橋」にかえて。

まだ少し冷たさも残る4月の陽気のなか、

桜の花の降る下で、こんなふうに風に吹かれていると、

なにか、狂気じみているというか、この世のものではないような

感じがする…というのもうなずけますね。

さすがにこの一瞬はだんごよりも花≠セと思う気持ちが

自分にも残っていたようです。

 

桜が道の両側にアーチのように咲いていて

一番にぎやかなスポット。

休日の日だけは歩行者天国になり、多くの人でにぎわいます。

この景色をみると、小説「赤毛のアン」で主人公がりんごの花の並木を

馬車でとばすシーンを思い出します。

すこしずつ春の陽射しが傾きはじめ、

桜の上にも夕陽がさす時刻になりました。

一年で一番にぎやかな、そしてとてもはかない季節が

終わるのもあとすこしです。

もうじき桜並木沿いの堤燈(ちょうちん)に灯かりが燈りはじめ

とても妖艶な桜のもうひとつの姿が見られます。

水面に映る堤燈の灯かりは私が一番好きな景色です。

それだけは、ぜひ皆さんが、ご自分で見にいかれることをおすすめします。

 

ちなみに、冒頭でワタクシが書いた伝説≠ニいうのは

まったくのフィクションで、ワタシのでっちあげです。

でも、これを読んで、案外その気になったのでは…(笑)

Fin

 

 

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