極楽旅行

湾岸列車の夏

 ある日突然、電話がかかってきた。

「写真撮るなら、いい場所があるんだけど。行ってみない?」

そんなふうにしてふらっと出かけた夏。

湾岸列車に乗り込んだ暑い夏の思い出。

横浜・鶴見線

 

品川から京浜東北線でJR鶴見駅へ行きます。

鶴見線≠ニいうのは横浜地区の工業地帯に沿って走っている電車で全国でもめずらしい路線です。

通勤時間の朝夕以外は、1時間に数本しか発車しないので、乗り遅れないように急ぎます。

では、出発進行!!


ここは、ナント終点扇町
鶴見線は終点の扇町まで15分くらいで着いてしまいます。

この時間帯は、この列車に乗っている人はほとんど誰もいません。ときおり高校生の集団や休日出勤らしい人が乗り降りする姿を見かけます。のどかで静かな時間です。


ところで、ここは終点ですが、これからが本番です。今乗ってきた電車でひき返してあさの≠ニいう駅でうみしばうら″sきの列車に乗りかえます。

鶴見線の路線は短い列車なのですが、言ってみれば終点が3つあります。
これから、そのもう一つの終点に向かいます。
今回の目的地です。


あさの♂w
とても小さな駅舎があり、懐かしい雰囲気。
でもまわりは、荒涼とした工場地帯

ホームから線路に降りてみる。
夏草が揺れて、風が通りすぎた。


電車は発車したばかりなので、次の発車まで1時間ほど待つ。

線路にくっきりと陰を落とす。
いかにも暑そうな夏の昼間。

無人の駅なので、廃虚のような、
無機質な工場地帯と夏草のコントラスト。


近くに公園や運河があり、少し散歩。
そこには運動場があって、人の気配がするので少しほっとする。

駅の全貌。

そろそろホームに戻ります。


これからが湾岸列車≠フ旅のはじまり。

あさの♂wを出るとすぐに、運河沿いに走ります。
次はしんしばうら≠ウくの向こうはすぐ運河です。

向かい側はコンビナートのようになっています。


さて、いよいよ終点のうみしばうら♂wに到着しました。


ホームの手すりの向こうはもう海です。
潮の香りが風に運ばれてきます。
とても小さなホームなのにすごい開放感です。

数年前まで日本でも有数な古い列車が走っていたらしいのですが、廃線となってしまったそうです。


誰もいない静かな駅。

とても気持ちがいいです。


正面に見えるのは鶴見つばさ橋≠ナす。
大黒埠頭≠ェあるところです。

まわりは工場地帯が続いています。
いくつかの船が行き来しています。

季節や時間によってこの景色のいろんな表情が見られそうです。


反対側の海です。


ちなみにこの駅は、駅の外には出られません。
この駅にある工場で働いている人や、許可証を持っている人以外はホームから出られないようになっています。

この駅自体が会社の中にある‥と考えればいいのだと思います。面白いです。 


乗ってきた列車が発車するまで、ホームで待ちます。
ホームの端には新しくできたらしい小さい公園がありました。とてもカワイイ公園です。

ホームからは出ませんが、折り返しの切符が必要になります。

↓これに乗って帰ります。


湾岸列車の旅≠ヘ実にいい景色を見せてもらいました。
この海沿いの駅、とても印象的でした。

観光とは、ほど遠い合理的な列車ですが、その偶然が、こんな景色を生みだしてくれました。

湾岸列車≠ェ運んできた、暑い夏の思い出です。

 

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