極楽旅行

過去景・未来景

横浜はいつも夢をみている街です。

かつて、近代日本の夜明けには、文明開化の入り口としていち早く新しい時代を迎え、

時は流れて、今は未来への出発点さながらに未来都市へと変貌は加速しています。

海を渡る”タイムトンネルを”くぐって、横浜での”時間旅行”のひとときを過ごします。

横浜・桜木町〜山下公園〜元町

 

東横線・桜木町駅を降りると、そこはまさに未来への出発点。新しい高層ビルが立ち並んで、人々はまるで宇宙船に乗り込むような感じで、ランドマークタワーの動く歩道に吸い込まれていきます。まるでいつか観た映画の、宇宙船に乗り込むときのような感じで、すこしわくわくします。

今日は、みなとみらい21への動く歩道へは進まずに、改札をでて日本丸メモリアルパーク、マリタイムミュージアム入り口の隣から”汽車道”へと向かいます。

”汽車道”という少しノスタルジックな名前の散歩道は、明治時代に開通した臨港線の跡地を利用して作られたものです。

さびついた線路を残したままの板張りの”海を渡る道”はまっすぐに続いていてとても気持ちがいい。すぐとなりのみなとみらいの混雑とはうってかわって静かな場所 です。

港の全景が眺められて、芝生や水面の雰囲気もよいとても気持ちのいい開放感が味わえます。

この海を渡る橋のまんなかにタイムトンネルを見つけました。

現在というこの瞬間は、過去と未来をつなぐ架橋のようなものです。
あるいは、永い時間の流れのなかに数多くの現在があるのかもしれません。

 タイムトンネルを渡りながら、そんな景色のなかに垣間見られる過去や未来の風景をさがしてみます。

みなとみらいに林立する高層ビル群は、メタリックに輝いて、なんだか”未来の遺跡” のように見えます。OPEN前の遊園地の動かない観覧車も”巨大遺跡”みたい。

人けのない古びた倉庫や、廃船や建築現場にある捨てられたテレビなどすでに時間の流れがそこだけ止まってしまったような空間がたくさんあります。   

建設中の巨大なビル、スポーツのイベント用の施設らしい。

造っている途中の建物は、壊しているようにも見えるから不思議。

 もうじき、遊園地や新しい施設が、つぎつぎとOPENするので、こんなだれもいない景色はもう味わえないかも。 

少々名残惜しい気持ちで、この長い時間の流れに架かる橋をあとにします。

”汽車道”をすぎると、今年中にOPENする赤レンガパークのために化粧直し中の赤レンガ倉庫があり、これも汽車道と同じ時代に作られたものです。

赤レンガ倉庫を過ぎると、赤い色の”新港橋”が見えてきます。この橋の向こうには、横たわるベイブリッジの姿が見えます。

このあたりには、廃線跡の面影がいくつか残されています。”廃線跡”という言い方が正しいのかはわかりません。そこに鉄道の線路があったということは、いつか誰かがそこに夢をみていた、夢の跡だと思うのです。

そんな夢の跡のラストは、横浜税関前に残されたレールです。先が上方に向いているので、”銀河鉄道”みたいです。今でもどこかに向かって続いているようです。

タイムトンネルもそろそろ終わりに近づいて、クラシックな景色を残しながらも、いつもの横浜に戻ります。

今日は、山下公園を通って中華街に向かいます。山下公園にも臨港線のあとが、高架のところに残っています。いつも人でにぎわっている観光地の定番です。

横浜随一の観光名所、中華街はとても派手で鮮やかです。今回いちばん印象に残ったのは、関帝廟。すごく派手な建物です。中国風の神社のような感じでした。

中華街を過ぎて元町へと向かいます。

元町は、もとは外国人居留地に住む人々のための商店街でところどころにその面影を見ることができます。

今では、数々の”横浜ブランド”の本店が軒を連ねています。

ちょっと”無”に立ち寄って一休み。

そうして、いつもと同じように一日が過ぎて行きます。

今度は本当に夢をみるために。

 

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